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中国で中学生2名、致死性ウイルス感染で死亡 – 髄膜炎菌性髄膜炎の脅威とは?

青海省西寧市で15歳の中学生2名が致死性の髄膜炎菌性髄膜炎に感染し死亡しました。この事件を通じて、世界と日本の感染状況、そして2011年宮崎県での集団発生について詳しく見ていきます。

事件の概要

青海省西寧市の15歳の中学生2人が致死性ウイルスに感染し死亡

新唐人電視台

2024年6月、青海省西寧市湟中区第一中学校の同じクラスの生徒2人が感染し、死亡しました。致死性の感染症で命を落としました。この悲劇的な事件は地域社会に大きな衝撃を与え、感染症の危険性が再び注目されています。現地の保健当局は迅速に対策を講じ、感染拡大を防ぐための措置を取っていますが、住民の不安は依然として高まっています。この事件は、感染症対策の重要性を改めて認識させるものであり、今後の予防策が求められています。

衝撃的なタイトルがついており、中国のネット民の多くが注目をしております。またも新型コロナのような中国発のウイルスなのか、と思いましたが調べていくと「髄膜炎菌性髄膜炎」で死亡したとのことです。

ご家族の提供した写真でしょうか。ボカシてるとはいえICUの写真をアップしてるニュースサイトまでありました。同じクラスの中学生が2人亡くなってるという衝撃的な事案というのがよく分かります。

事例1:6月5日夜、黄中区第一中学校8年5組の生徒、馬蒙蒙(マ・モウモウ)さんが青海省婦人児童病院で救出後に死亡

事例 2 の関連情報: 6 月 26 日の正午、黄中区第一中学校8年5組の生徒、ヤン・モウモウさんは救助活動が失敗し、青海大学付属病院で死亡

症例 1 と症例 2 の関連性: 髄膜炎菌性髄膜炎は、潜伏期間が 1 ~ 7 日のクラス B 感染症です。症例 1 が発症して 6 月 5 日に死亡した後、彼の学校は州および市の疾病管理の指導下にありました。当局は、「国家流行性脳脊髄膜炎監視計画」に従ってさまざまな予防および制御措置を厳格に実施し、6月8日、症例2の咽頭ぬぐい液採取の結果は陰性であり、6月25日までに症例2は症状を発現した。 2 つのケースが分離されました。期間は 20 日間です。

澎湃

濃厚接触者は検査をして全て陰性だったのことですが、それでも、もう1人亡くなってるのは当局に批判が集まりそうです。日本では、国立感染症研究所の髄膜炎菌性髄膜炎のページを見ますと日本はワクチン接種は任意なので濃厚接触者の緊急の対策としては、抗菌薬の予防投与が、リファンピシンを中心に行われるとのことです。

中国のネット民の反応

新型コロナの件もあるので中国のネット民の注目が非常に高いです。

ネット民「髄膜炎菌性感染症の無料ワクチンはないのか?学校に行く前に全員がワクチン接種を受けるのは当然だ」「両者に関連性があるかどうかについては言及されていない」「そんな可能性はあるのか」と疑問を呈した。この年齢の子供たちは学校に行く前に完全に予防接種を受ける必要があるからです。」

一部のネチズンは「発生率は1%。髄膜炎を発症した症例はほとんどなかった。1クラスに2人が死亡した。この割合は非常に奇妙だ」「この菌株が致死性の高い変異をしたのか?もしあれば」と通知の抜け穴を疑問視した。この 2 件だけで、死亡率は 100% です。「異常なのは、患者がどのようにして感染したのかということです。事件後のさまざまな予防措置や管理措置は正常ですか?」

一部のネチズンは、「髄膜炎についてはもう何年も聞いていない」と、この学生が新型コロナウイルス(中国共産党ウイルス)に関連している可能性がある別の病気を患っているのではないかと疑った。

髄膜炎菌性感染症は中国の症例確認しますとそこそこ集団感染が報告されてます。ワクチンは中国で6社のメーカーで製造されてます。今回発生した中学ではワクチン接種と学校の消毒作業が実施された後授業が再開されてます。

髄膜炎菌性髄膜炎とは?

中国で中学生2名、致死性ウイルス感染で死亡。またも新型コロナのような謎ウイルスなのか、と思ったのですが髄膜炎菌性髄膜炎とのことです。日本では聞き慣れないところですが、ウイルスでもなく細菌によるもので髄膜炎菌が起因菌になります。

髄膜炎菌性髄膜炎は、髄膜炎菌という細菌によって引き起こされる重篤な感染症です。この細菌は脳と脊髄を覆う膜(髄膜)に感染し、急速に症状が悪化することが特徴です。主な感染経路は飛沫感染で、感染者の咳やくしゃみから放出される飛沫を吸い込むことで感染します。初期症状は発熱、頭痛、首の硬直などで、進行すると意識障害や痙攣を引き起こし、治療が遅れると致命的な結果になることもあります。劇症型の場合には突然発症し、頭痛、高熱、けいれん、意識障害を 呈し、DIC(汎発性血管内凝固症候群)を伴い、ショックに陥って死に至る。

髄膜炎菌性髄膜炎は、数時間以内に死に至る可能性がある。髄膜炎を起こした場合、治療を 行わないと致死率はほぼ100%に達する。抗菌薬が比較的有効に効力を発揮するので、早期に 適切な治療を施せば治癒する。

早期に適切な処置がされない場合、数時間以内に重篤になり亡くなるケースがあります。中国の中学生のケースも、帰宅後、微熱があったので風邪だと思い深夜2時に解熱剤を飲んだ、様態が急変し大学病院に収容されたが死亡。血液検査で髄膜炎菌性髄膜炎と同定された。発病して死亡するまでわずか数時間とのことです。

中国の感染、発症状況

中国における髄膜炎菌感染症の症例に関する情報は次のとおりです。

  • 2015–2019罹患率は100万人あたり0.078人、致死率は11.82%だった。
  • 2005–2010平均罹患率は10万人あたり0.09人で、新疆ウイグル自治区で最も高く、安徽省で最も多かった。患者258人、死者16人もの犠牲者が出たとされている。
  • 2023年6月、広東省広州市の中等職業学校で血清型Yの髄膜炎菌(Nm)の集団感染が発生しました。集団感染には重症患者1名、検査でNm保菌者と確認された24名が含まれ、集団感染は確認された患者の教室に限定されていました。密閉空間内での長時間の密接な接触は、Nm感染の重要なリスク要因であることが判明しました。
  • 髄膜炎菌B群中国では2011年以降、髄膜炎菌性B群髄膜炎および敗血症(MenB)の症例が増加しており、記録されている症例の大半は1歳未満の乳児です。 

中国では、2006年から血清群A、C、W135、YのMenPVの使用が認可されており、4価(A、C、W135、Y)ワクチンは地元のメーカー6社によって製造されています。2019年には、約330万回分の4価ワクチンが発売されました。

米国で増えているY群が中国でも発生しているのが気になります。

世界の感染、発症状況

髄膜炎菌性髄膜炎は世界中で発生しています。世界全体として毎年30万人の患者が発生し、3万人の死亡例が出ています。特にサハラ以南のアフリカでは「髄膜炎ベルト」と呼ばれる地域で頻繁に発生します。

髄膜炎菌は莢膜多糖体の種類によって少なくとも13種類(A, B, C, D, X, Y, Z, E, W-135, H, I ,K, L)のserogroup(血清型)に分類されているが、起炎菌として分離されるものではA, B, C, Y, W-135が多く、特にA, B, Cが全体の90%以上を占める。

髄膜炎菌性髄膜炎とは 国立感染症研究所

アフリカはA群、アジア(ベトナム、ネパール、モンゴル)、ブラジルはB群、欧米はC群が多い。日本はB群、Y群が同定されている。

ブラジルでは2022年8月から2023年10月までに、アラゴアス州では33人の感染者が確認され、そのうち25人がB型髄膜炎菌性髄膜炎で、14人が死亡した。

米国における髄膜炎菌感染症の症例は2021年以降急増しており、現在ではパンデミック前の水準を超えています。2023年には、確定症例と疑い症例合わせて422件が報告されました(CDCの予備データ)。これは、2014年以降に報告された米国における髄膜炎菌感染症の症例数としては最大です。

CDC

米国では近年、髄膜炎菌感染症の症例数が増えておりパンデミック前と言われてます。特にY群が増えてます。Y群の流行は米国に多い。

日本の感染状況と対策

日本では、髄膜炎菌性髄膜炎の保菌率および発症率が世界的に見て低い水準にあります。しかし、2011年には宮崎県内の高校で集団感染が発生し、複数の生徒が罹患しました。この事例をきっかけに、学校や地域社会での予防策が強化されましたが、感染症対策の重要性は常に意識されるべきです。

わが国においては、終戦前後に4,000例を超える髄膜炎菌性髄膜炎の報告があったが、戦後は発生数は激減し、1970年以降、年間100例に満たない報告数となった(図1)。1980年以降は30例を下回り、1990年に入ると一桁台の報告数にまで減少した。

髄膜炎菌性髄膜炎患者報告数の推移,1918〜2004年

わが国における低保菌率と髄膜炎菌性感染症の低発生率の関連性は非常に興味深いが、詳細は不明である。

髄膜炎菌性髄膜炎とは 国立感染症研究所

日本は低保菌率と髄膜炎菌性感染症の低発生率。何故なのか大変興味深いです。

しかしながら、2011年に宮崎県内の高校で死亡例を含む集団感染が発生しました。

宮崎県小林市に住む15歳の男子高校生が髄膜炎菌感染症で死亡した。宮崎県によると、同じ高校の関係者7人からも髄膜炎菌が検出され、生徒含め3人が髄膜炎菌性髄膜炎を発症していた。

日経メディカル

同じ寮の生徒を中心に,濃厚接触の機会があったと考えられた計 33 名の咽頭ぬぐい液からを検査。

米国の報告では,寮生活等の集団生活は髄膜炎菌感染症発症のリスクであると指摘されている。新型コロナに同じく密でクラスターになるということでしょう。

予防と対策

予防にはワクチンが有効です。

西寧市黄中区教育局と西寧市黄中区衛生局は、ワクチン接種作業が秩序正しく実施されていると発表した。

澎湃

青海省西寧市の中学生の髄膜炎菌性髄膜炎の髄膜炎菌もB群であると同定されております。

 わが国においては、2015年5月より髄膜炎菌(血清型A、C、Y、W)による侵襲性髄膜炎菌感染症を予防する目的の4価髄膜炎菌ワクチンが認可された。基本的には任意接種だが、指定難病である発作性夜間ヘモグロビン尿症に用いるエクリズマブ投与対象者は保険適用である。

髄膜炎菌性髄膜炎とは 国立感染症研究所

まとめ

青海省西寧市で発生した15歳の中学生2名の髄膜炎菌性髄膜炎による死亡は、感染症の恐ろしさを再認識させるものでした。同じクラスの生徒が短時間で2人も死亡するとか想像するだけでもショックと言うかホラーが過ぎます。髄膜炎菌性髄膜炎は、飛沫感染によって広がる致死性の感染症であり、世界中で発症が報告されていますが、日本では比較的低発症率です。しかしながら学生寮などの集団生活はリスクが高い。大変狭い部屋に2人部屋な学生寮をテレビで見たことありますが、狭い部屋で同じ空気吸うというのは、新型コロナでよくよく分かったことですが大変リスクが高いということです。

日本でも学生寮などがリスクが高いとのことですが、日本は少子化で高校大学が稼ぐために県などが補助金を出してまで留学生を呼び寄せてます。そして、与野党議員が大量に外国人を労働力として日本に呼び寄せてます。そういったことを考慮すると少なからず日本も感染数が出てくるのか、例えその場合でも外国人は感染しても日本人は感染しないのか気になるところです。